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日本政策金融公庫が行う公的な融資制度は、国の教育ローンと呼ばれています。高校や大学などへの入学金や授業料などの負担を軽減する国の教育ローンとは、どのようなものか紹介をします。
国の教育ローンとは?
国の教育ローンとは、100%政府出資の政策金融機関である、日本政策金融公庫が扱う教育ローンになります。1979年に進学に関する家庭の経済的負担の軽減と教育の機会均等をはかるために、入学費用を融資する「国の進学ローン」として取扱いが始まりました。
そして、1991年からは、入学資金だけでなく、在学中に費用も融資の対象に追加され「国の教育ローン」とされました。
これまでの融資件数は延べ約500万件にのぼり、2014年だけでも新規の融資実績は約12万件、計1,812億円となっています。
融資の対象となる入学・在学先
修業年限が原則6ヶ月以上で、中学校卒業以上の方を対象とする教育機関が国の教育ローンの対象となります。
- 大学、大学院(法科大学院など専門職大学院を含みます)、短期大学
- 専修学校、各種学校、予備校、デザイン学校
- 高等学校、高等専門学校、特別支援学校の高等部
- 外国の高等学校、高等専門学校、短期大学、大学、大学院(原則6ヶ月以上の留学に限ります)
- その他職業能力開発学校などの教育施設
また、外国の教育施設から条件付き(語学力の向上など)で入学が許可された場合、その条件を満たすに修学する教育施設(語学学校など)については、修学年限3ヶ月以上の施設が対象となります。
国の教育ローンの融資限度
国の教育ローンの融資限度は下記の通りになります。
- 進学・在学する子供1人当たり350万円以内
- 海外留学資金の場合は最大450万円以内
国の教育ローンの特徴
特徴.1、固定金利
国の教育ローンは、融資契約時に決まった金利が返済時まで続く固定金利を採用しています。
借入時の金利が完済まで変わらないので計画的な返済がしやすいという特徴があります。
国の教育ローンの金利
金利に関してですが、固定金利であり「年1.90%」になります(平成28年5月10日現在)。
例外もあり、下記の場合は、「年1.50%」になります。
- 母子家庭
- 父子家庭
- 世帯年収が200万円以内
- 世帯所得が122万円以内
金融情勢によって、金利は変動します。
特徴.2、長期返済
原則として長期15年まで比較的長くなっており、条件を満たすことで3年延長の最長18年とする特例が用意されています。
国の教育ローンの返済期間
国の教育ローンの返済期間は、15年以内です。
しかし、下記の場合は、18年以内となります。
- 交通遺児家庭
- 母子家庭
- 父子家庭
- 世帯年収200万円以内
- 世帯所得122万円以内
特徴.3、無担保(融資保証は必要)
国の教育ローンでは、担保は不要になっていますが、公益財団法人教育資金保証基金の保証を受けるか、または連帯保証人を立てる必要というのがあります。
この公益財団法人教育資金保証基金は、国の教育ローンの融資を受ける際に保証を行うことを目的に設立された公益財団法人で、保証を受ける場合は、融資額や返済期間に応じて、一定の保証料が必要となります。
また、公益財団法人教育資金保証基金への保証依頼は、日本政策金融公庫から行うことができ、保証料は融資金から一括して差し引かれます。
まとめ
国の教育ローンは、日本政策金融公庫により融資を受けることです。
特徴として、固定金利、長期返済、無担保(融資保証は必要)があります。また、様々な条件によって返済期間や金利が異なってくることがあります。
公的な機関とはいえ、お金を借りるのですから、しっかりと返済計画を練り、返済シミュレーションをしなければなりません。